「らんまん」の植物画家・野宮朔太郎役は亀田佳明
ラストが近づいてきた連続テレビ小説「らんまん」
顕微鏡を用いた倍率900倍の世界が描ける、唯一の植物画家兼植物学者となった野宮朔太郎。
野宮を演じているのは、亀田佳明さんです。
前原滉さん演じる波多野とタッグを組み、イチョウとソテツの生殖の仕組みを解明する研究を続け、ついにイチョウの精虫を発見しました。
野宮と波多野は、イチョウの精虫を発見しました。
「――野宮さん。論文を書くんだ」
「俺は……画工ですよ!」
「いいえ。今は、植物学者です」#朝ドラらんまん#前原滉 #亀田佳明 pic.twitter.com/r8vjqsE2Fi
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) September 1, 2023
亀田佳明は「演劇界の東大」文学座所属
亀田佳明さんは「演劇界の東大」と言われる文学座に所属しています。
『芝居の猛者』が勢ぞろいする演劇舞台で磨かれた演技力が高く評価されている俳優さんです。
【文学座NEWS】
✨#亀田佳明✨ 出演情報4/3(火)放送スタート
NHK連続テレビ小説『#らんまん 』に
野宮朔太郎役で出演致します。5月中旬頃から登場です!
🌸どうぞお楽しみに🌸💕 pic.twitter.com/N3O4fBpV7W— 文学座 (@bungakuza) March 21, 2023
筆者は今まで亀田さんをシリアスな舞台で観ることが多かったので、お茶目な素顔にホッコリ(笑)
亀田佳明のプロフィールは?
名前:亀田佳明(かめだよしあき)
出身地: 東京都
誕生日: 1978年10月31日
身長: 175cm
経歴: 2001年 文学座附属演劇研究所入所
2006年 座員となり、現在に至る。
受賞歴: 2019年度 第五十四回紀伊國屋演劇賞・個人賞
(『ガラスの動物園』『タージマハルの衛兵』)
文学座公式ページ より引用
亀田佳明さんは2019年10月、同じ文学座所属の永宝千晶さんとご結婚されました。
永宝さんは現在は文学座を退座し、別の事務所に所属されているようです。
亀田佳明の出演作は?
亀田佳明さんは舞台を主軸として活動されています。
初舞台は2004年 の文学座本公演『モンテ・クリスト伯』
その後文学座の公演のほか、数多くの演劇作品に出演されています。
詳細は 文学座公式ページ をご参照ください。
2023年7月26日、第31回読売演劇大賞の中間選考結果が発表されました。
そこで亀田佳明さんは舞台『ブレイキング・ザ・コード』での演技が評価され読売演劇大賞男優賞に選ばれています
受賞作『ブレイキング・ザ・コード」のダイジェスト映像を御覧ください。
亀田は「ブレイキング・ザ・コード」で天才数学者役。2委員が最高点を付けた。「演技の中心に柔らかな余白を持たせ、時代の流れに 翻弄 される悲しさをうまく表現した」とたたえられた。
読売新聞オンライン より引用
今回の男優賞の受賞は最終結果ではなく、来年1月の選考会で下半期の作品とともに審査され、男優賞受賞者の中から大賞が決まります。
ちなみに亀田佳明さんは10月から新国立劇場のシェイクスピア・シリーズに出演されます。
なんと!シェイクスピアの2作品を同じ俳優陣が交互に上演するという、想像するだけでも過酷な公演です。
ここでも亀田さんは重要な役にキャスティングされています。
実力者ばかりがノミネートされている読売演劇大賞受賞ですが、亀田さんが受賞されたら嬉しいですね。
新国立劇場『尺には尺を/終わりよければすべてよし』
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁
●尺には尺を
10/18(水)~11/18(土)
●終わりよければすべてよし
10/19(木)~11/19(日)
会場:新国立劇場 中劇場
野宮朔太郎に実在のモデルはいるのか
倍率900倍の顕微鏡の中の世界を描ける、唯一の植物画家であり植物学者となった野宮朔太郎。
実在のモデルとなった人物はいるのでしょうか。
野宮朔太郎のモデルは平瀬作五郎
野宮朔太郎のモデルと思われる人物は、平瀬作五郎さんです。
1972年 福井藩中学校で絵を学び、卒業後同中学校の図画教授助手となる
1873年 写実は油絵を学ぶために上京
1875年 福井に帰郷し、岐阜県中学校の図画教授となる
1888年 帝国大学理科大学の植物学教室に画工として勤務
これは・・ほぼドラマの設定と同じではないですか。
野宮朔太郎も福井出身で中学の教師でしたよね。
平瀬作五郎さんはその後、銀杏の精子(精虫)を世界で初めて顕微鏡で確認します。
そしてその傍らには波多野のモデルと言われる池野成一郎さんがいました。
平瀬作五郎さんについての詳細は 日本植物学会のページ へ
イチョウの精子(精虫)発見が世界的偉業な理由
1896年に発表された平瀬作五郎のイチョウ精子発見に関する記事は、明治29年10月20日に植物学雑誌に掲載されました。
この記事では学会例会での報告の要約が述べられています。
平瀬は、イチョウの花粉が雌の木で成長し、運動する精子を形成することを発見し、その精子が実際に泳ぎ出す瞬間を観察し、精子であることを確証しました。
この発見の重要性はいくつかの点にあります。
まず、イチョウは裸子植物であり、通常裸子植物や被子植物では精子を生成しないため、それより下等な植物の性質を持っていることになります。
陸上で進化が進んだ高等植物ではそのような性質を失っているので、イチョウは生命が始まった海の記憶を留めているという見方ができます。
第二に、当時裸子植物の受精に関する研究は最先端であり、世界的な植物学者であるE. シュトラスブルガー(ボン大学、ドイツ)もイチョウの花粉について研究していましたが、精子の発見には至りませんでした。
第三に、当時の日本の研究状況を考えると、平瀬の発見は日本人による世界的な大発見と言えます。
東京大学が設立されたばかりで、外国からの教授や留学生によって研究体制が整えられていましたが、日本人の教授も着実に増えつつありました。
この発見は、日本の研究の高い水準を示すものであり、国際的な注目を浴びるべきものでした。
この発見は、1896年に初めて公表されましたが、当初は信じられませんでした。
1897年にアメリカのH.J. Webberがソテツの仲間の精子を見たことで、平瀬の発見は正当性が確認され、国際的な認知を得ました。
詳細は 日本植物学会のページ をご確認ください。
まとめ
らんまんの画工・野宮朔太郎を演じている俳優は亀田佳明さん。
文学座に所属し、舞台中心に活動する演技力に定評のある俳優さん。
野宮朔太郎のモデルは平瀬作五郎で、イチョウの精子(精虫)を世界で初めて確認した人物。
残り少なくなった「らんまん」の放送回。
フィクションながらかなり史実に沿った物語の結末が気になります。
亀田佳明さんの今後のご活躍も大いに期待しています。
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